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本当に「意識だけ」高いのか?~夫の家事・育児参加について~

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どうも、NSTです。

早いもので7月ももう終わろうとしています。2018年もすでに半分以上終わりつつあると思うと、時間の進む速度に驚愕せざるを得ません。

 

さて、先日面白い記事を発見しました。

jbpress.ismedia.jp

この記事の中身を乱暴に説明すると、夫の家事・育児に参加すべきという意識は1988年から2018年の30年間で大幅に上がっているものの、中身が伴っていないことに対する問題提起です。

 

今回疑問に思ったのは本当に中身が伴っていないのか?という点です。

この記事では具体的に意識と行動の変遷が%で表されていますので、検証していきたいと思います。

 

 

 

意識はどう変遷どうしたか?

30年間で夫婦の家事・育児に関する参加意識がどの程度変化したのかを見ていきます。

 

◆夫も育児を分担するほうが良いと思う

妻:67.6%(1988年)⇒94.0%(2018年)

夫:45.8%(1988年)⇒88.9%(2018年)

◆夫も家事を分担するほうが良いと思う

妻:60.4%(1988年)⇒85.1%(2018年)

夫:38.0%(1988年)⇒81.7%(2018年)

 

これを見ると夫側は30年間で家事・育児に参加しようという気持ちが大幅に向上していることがわかります。

 

わかりやすく具体的な人数に置き換えると、1988年当時は100人の夫のうち、50~60人程度が「育児・家事は妻の仕事である」と考えていたことになります。

ただこの当時は夫の一馬力で家計を支えるという世帯が多かったと思います (具体的なデータを提供できれば良いのですが…)ので、この考え方自体は特に変だとは思いません。

 

では実態はどうなっているのかを見てみましょう。

家事・育児を負担できているか?

◆食事の支度をすることがよくある

夫:3.7%(1988年)⇒13.7%(2018年)

◆ゴミ出しをすることがよくある

夫:10.6%(1988年)⇒35.1%(2018年)

◆食料品の買い出しをすることがよくある

夫:10.1%(1988年)⇒22.7%(2018年)

◆食後の後片づけをすることがよくある

夫:3.3%(1988年)⇒19.8%(2018年)

◆風呂場の掃除をすることがよくある

夫:6.8%(1988年)⇒19.0%(2018年)

◆洗濯をすることがよくある

夫:2.3%(1988年)⇒11.1%(2018年)

◆部屋の掃除をすることがよくある

夫:4.4%(1988年)⇒10.5%(2018年)

 

この結果を受けて、皆さんはどう思うでしょうか?

「意識の高さに伴わない結果だなぁ」と受け止める方が多いと思います。

実際、私の読んだ記事にもそう読める記述がありました。

 

しかし、私はこの数字を見たとき、そうは思えなかったのです。

意識と行動が伴う夫は増えたのか?

具体的に数字に落とし込んで考えていきましょう。わかりやすく100人に置き換えます。

 

1988年当時は家事・育児に参加すべきと考えていた夫は40~50人でした。

1988年当時に「洗濯をすることがよくある」と回答していたのは、2.3%、つまり2人程度です。

もっとも数値の高い「ゴミ出しをすることがよくある」と回答しているのが10.6%、11人程度と考えると、どの項目も100人中5人程度しかやっていないと考えてもいいと思います。

したがって、100人いたら40~50人程度が家事・育児をすべきと考えていながら、実際にやっていたのは5人程度、つまり、意識と行動が伴う人は100人中5人、20人に1人という計算結果となり、約5%しか意識と行動が伴う人はいなかったという結果と言えるでしょう。 

 

では2018年の数字はどうでしょうか。こちらも100人に置き換えて考えます。

家事・育児に参加すべき夫の割合を振り返ってみましょう。

◆夫も育児を分担するほうが良いと思う
妻:67.6%(1988年)⇒94.0%(2018年)
夫:45.8%(1988年)⇒88.9%(2018年)
◆夫も家事を分担するほうが良いと思う
妻:60.4%(1988年)⇒85.1%(2018年)
夫:38.0%(1988年)⇒81.7%(2018年)

 100人中80~90人が家事・育児に参加すべきと考えていることになります。

では、実際の参加率はどうでしょうか。

◆食事の支度をすることがよくある
夫:3.7%(1988年)⇒13.7%(2018年)
◆ゴミ出しをすることがよくある
夫:10.6%(1988年)⇒35.1%(2018年)
◆食料品の買い出しをすることがよくある
夫:10.1%(1988年)⇒22.7%(2018年)
◆食後の後片づけをすることがよくある
夫:3.3%(1988年)⇒19.8%(2018年)
◆風呂場の掃除をすることがよくある
夫:6.8%(1988年)⇒19.0%(2018年)
◆洗濯をすることがよくある
夫:2.3%(1988年)⇒11.1%(2018年)
◆部屋の掃除をすることがよくある
夫:4.4%(1988年)⇒10.5%(2018年)

 

最も高い「ゴミ出し」で30~40人、最も少ない「部屋の掃除」で約11人は行動している人がいるようです。ならすと約20人程度が家事・育児に参加してるといえると思います。

 

さて、前述したように100人中、80~90人が家事・育児に参加すべきと思っています。同時に行動が伴う人は約20人。つまり、約20%の夫が意識と行動が伴っているという結果といえるでしょう。

意識する夫の数が約2倍(約40~50人⇒約80~90人)に増えたのに対し、実際に行動する夫の数は約4倍(約5人⇒約20人)増えたこととなります。

 

このようにみると、夫は意識だけが高くなっているわけではなく、行動が伴うようにもなっているという風に考えられないでしょうか?

 

数字の見せ方によって印象が変わる典型例に思えました。

 

とりあえず、今日はここまで。