Nobody Survive Tales

書きたいことをとにかく書いていきます。

この時計、もらってくれませんか?〜タダより高いものはない〜

どうも、NSTです。

いよいよ、8月。夏休み目前ですが、皆様方はどのような予定を組まれていらっしゃいますか?

私は特にどこにも行く予定はありません。誘ってくれる友人がいないわけではなく、家が好きなのです。

 

さて、今日は私の友人が実際に遭遇した時計詐欺について書きます。

記憶で書いている部分が多々ありますので、矛盾があったり、変な部分もあるかもしれませんがご容赦願います。 

 

 

私の友人は仕事柄、各地を転々としているのですが、この時計詐欺にあったのはS県K市でのことです。

 

給料日当日、仕事帰りに一杯ひっかけて上気分で帰路についていた友人は、人通りのない路地で後ろからやってきたベンツに乗っている男に声をかけられます。

「お兄さん、今少しいいですか?」

 

夜遅く、いきなり知らない人間に声をかけられるのです。当然、友人は警戒します。

それを感じたのか男は、「私、こういうものです」と名刺を差し出しました。

名刺にはもっともらしい会社名と役職・指名が記載されております。

友人がいぶかしげに名刺を眺めているにもかかわらず、男は一方的に話し始めます。

 

「私、高級時計の仕入れと販売をやっているのですが、今日仕入れた時計がさばききれなくて、余ってしまっているんです。」

「このまま持っていても仕方ないので、お兄さん、もらってくれませんか?、100万円程度の代物ですが。

 

なんと高級時計をくれるというのです。しかも100万円もするとのこと。

とても怪しく、友人も一回は断りました。

 

「困ったなー、このまま持っていても仕方ないし、社長にさばききれなかったことを叱られてしまうんですよ…」

 

別に時計なんて生ものではないのだから、今日売り切れなくたっていいではないか、というか100万円のものを勝手に人にやってしまうことのほうが怒られるんじゃないか?お前の会社、大丈夫か?と聞きたくなってしまいますが、その当時は酒も入っていて、冷静に考えることができず、友人は時計をもらうことと、タダでは悪いので幾分か支払うことを申し出てしまいます

 

「本当ですか、助かります!お代は結構なんですが…そうですねぇ、今しがた接待でキャバクラにいってきたところなので、その分を少し見てもらえればありがたいです」

 

接待で酒飲んだ帰りに運転するのか?会社どころじゃなくてそもそもお前大丈夫か?と突っ込みたくなりますが、給料日ということもあり、羽振りの良かった友人は気前よく3万円を渡してしまいます。

 

男は満面の笑みで3万円を受け取るとともに、友人に時計を譲りました。

 

後日、友人がその時計を眺めるとあることに気付きます。文字盤にブランド名が書いてあるのですが、暗闇では「ROLEX」と書いてあるように見えましたが実際は「ROLAX」と書いてあることに。

 

字面に起こしたり、後日考えるといろいろおかしいと思えるのですが、この話には巧妙な点がいくつかあります。

-1.高級車に乗っている点

男が乗っている車がベンツではなく、そこらの軽自動車だったら高級時計のバイヤーという話も簡単には信じなかったのではないでしょうか。

決して軽自動車に乗る人が高級時計をしない、というわけではありませんが、車も高けりゃ、時計も高いってほうが人は納得しやすいでしょう。

 

-2.名刺を用意している点

やはり名刺というものをだされると、何となく安心してしまうのでしょう。そこに書いてあることが本当かどうかはわかりませんが、人は肩書に弱いものですから。

 

-3.「時計を買ってくれ」とは一言も言っていない点

ここが最大のポイントでしょう。そもそもこの男は、時計をもらってくれとは言ってはいますが、買ってくれとは言っていないのです。あくまで、タダでもらうのは気が引けるという人の善意に付け込んでいるだけなのです。

仮に100万円の時計を3万円で買えると判断した結果だとしても、時計は譲られているのであり、売買が成立しているわけではない(つまり、詐欺には該当しない)と判断されるのではないでしょうか。

 

-4.給料日を狙っている点

この詐欺(厳密には詐欺には当たらないかもしれませんが)を実行しようと思ったら、財布の中に余裕がある時、給料日を狙うのが良いでしょう。

手元にお金がなければ、親切心を出そうにも出せるものがないということになりますからね。

そうすると、この類の話は五十日もしくはその直後に多いということが予想されます。

 

今はこうやっていろいろと考えられますが、実際に直面すると冷静に考えられず、ひっかかってしまうかもしれませんね。

 

とりあえず、今日はここまで。